アフィリエイターがインターネットにゴミをばら撒くとき

前回の記事で、アフィリエイターへの支払いが記事を書くインセンティブとなるので、アフィリエイターが活動する分野のほうがそうでない分野に比べると記事のクオリティが高くなるということを結論として書きました。

これに対して例えば、次のような反論があります。

「無料でXXXを行なうツールを探していたら、アフィリエイターが紹介するXXXを有料で行なうツールの記事しか検索上位に出てこなくて迷惑であった」

当然、私もそれは何度も経験があります。例えば、動画エンコードのツールを探していたときや、差分比較ソフトを探していたときや、無償のグリッドコンポーネントを探しているのに有償のコンポーネントの提灯記事しかヒットしなかったり、無償のライブラリで済むものが有償ライブラリの記事しか検索上位に出てこなかったりと、枚挙に暇がありません。

アフィリエイターは基本的に報酬がもらえるほうしか紹介しませんから、無償のものよりは有償のものを勧める記事を作ります。そうなると、無償と有償の商品が共存しているような分野においては、販売時にアフィリエイターが報酬の得られる有償の商品のほうの記事ばかりになってしまうのは道理です。

これはアフィリエイターに限ったことではありません。大手の技術系のニュースサイトや雑誌媒体でもこの傾向はあります。

そもそも論で言えば、「無償のソフトと同等の機能の有償のソフトを売るなや!」と言うことです。無償のソフトにわかりやすいUIをつけただけの有償のソフトとか、無償のソフトに少し手を加えてわかりやすいマニュアルをつけただけの有償のソフトだとか、そういうのを求めているユーザーがいることは事実でしょうけども、私には到底まともな商売には思えません。

例えば、ストリーミング動画を保存するMPXというソフトを作っていたインターナル。ストリーミング動画の保存は厳密に言えば違法ですが、摘発を逃れていました。インターナルは、DVDのコピーソフト『ディスクグラバー』を発売し(現在は自粛的に販売停止)、その後、電子書籍のコピーソフト『コミスケ』の販売で社長が逮捕されます。ストリーミング動画の保存も、DVDのリッピングも、電子書籍のコピーも少し検索すれば無償のツールが出てきます。(それらのツールも使用は違法です。念のため。)

本当、唾棄すべきビジネスです。
こういうソフトのページが検索上位に来るのは、非常に残念な状況だと言わざるを得ません。

インターナルに限って言えば、アフィリエイターというより、その社員がステマで知恵袋やブログなどに記事を大量に投稿していると言われています。(参考記事 : http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n138095 )

ここまで来るとアフィリエイターのせいだとは言いがたいものがあります。
まあ、良識のあるアフィリエイターであれば、そもそもこんな会社のアフィリエイトなどやらないでしょうし…。

こういうステマページを検索上位に持ってきてしまうGoogleの検索アルゴリズムに私は憤りを感じます。

上の例では無償のツールの使用が違法だったりするので、無償のツールのほうが検索上位に来ればいいという問題でもないですが、一般論として違法でないツールの場合、有償ツールと同等の無償のツールがあるなら、後者が検索上位に来るべきです。検索上位に来ないのは、結局、その無償のツールに対する言及(バックリンク等)が少ないからであり、何故バックリンクが少ないかというと、少しググれば無償ツールが見つかるのですが、見つけた人がその無償ツールについて自分の情報発信メディア(ブログ、twitter等)で言及しないからではないかと思います。

昔は、検索エンジンの性能が悪く、そういうのを自分の所有するサイト上に「お役立ちリンク」とか言ってまとめたものですが、そういう人がいなくなってしまったのが遠因にあると私は思います。

ともかく、私はGoogleの検索アルゴリズムが改善されることを願うと同時に、「有償ツールのステマ記事が検索上位に来ないようにお前らもっと検索上位に来て欲しいほうにバックリンクを貼れよ」と言いたいわけです。アフィリエイターが作成したゴミ記事が上に来て迷惑だと言う人は、検索上位に来て欲しいほうに投票する感覚で、自分のブログ等からバックリンクを貼っていけば(そういう人が多ければ)状況が改善されるかも知れないと思います。